「いつだって、傍にいた 2」マスダカオリ

本日の語り手・マスダカオリさんはヨガのインストラクター。インタビュー前半はヨガと出合った中国滞在(ご本人曰く「暗黒期(笑)」)を皮切りに、「捨てられた感覚」にまつわる「2つのLOST」を回想されました。後半はいよいよ、大恋愛/大失恋の話題に差し掛かり ―― 悩み、思い詰めた長い、長い、長い時間を、マスダさんはいま、どのように振り返られるのか? コロナ禍にこそ知りたい、ヨガの魅力や効能もじっくり語ってもらいました。

 

プロフィール

マスダカオリ
Yogaとゆらぎ体操 インストラクター

もっと自由に
もっと自分らしく生きる。

ヨガを始めたい
あなたのために
私はいます

ハワイの短大とアメリカジョージア州の大学を卒業
帰国後、日本で英会話教師、ホテル勤務、貿易事務 他 を転々と

中国で日本料理店で勤務

昔は旅人 今は自由人

今の目標は地元の自然を活用して、大人も子供も元気に生きられる世の中を創造していくこと

声のイントロ


 

3つ目のLOST

もう1つ、3つ目のLOSTがあるんです。

 ―― どのような体験だったんですか?

人との出来事ですね。知り合ったのはヨガのインストラクターになって、ずっとたって……40歳、41歳くらい。

その人は、友達でもないし恋人でも何でもなかったんだけど、なんだろうな……出会った瞬間から「すごく分かる」みたいな感じで。私、もともと誰とでも話せますが、その人は特別だったんです。

いろんなこと、お互いに喋れた。私みたいに誰とでも仲良くなれるし、誰とでも旅に出ちゃうし、すごく自由人で。まぁ、そこがお互いにピンと来たんですかね。

 ―― ヨガの関係者だった、とか?

いえ、タイ古式整体のお仕事をされてる方で、私より9歳くらい年下。だいたい、月1回ペースで2年間ぐらい、治療を受けに通いました。施術を受けながら話しをして、「この人、本当に好きだなー」って思って。

ただ、恋愛はもう無理だったし(笑)

 ―― 無理……(笑)

無理でしたねー。自分に自信がないし、なによりも恋愛を意識した瞬間に……なんか、相手が遠くなっちゃう。だから、もしそんな気持ちになっても、相手には絶対に言わない。

まして、その人は誰からも愛されるタイプだったし、お客さんに対して特別な意識もしない。ずっと旅ばっかりしてて。

旅といっても、のんびり目的地を訪ねる仕方ではなく、それこそ命を危険にさらすようなスタイル。

黒川さん、エル・カミーノってご存知ですか?

 ―― 巡礼の道でしたっけ。スペイン辺りの……日本でいうと熊野古道みたいな?

そうそう。聖地とされるサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す旅路なんですけど、彼はフランスのピレネー山麓からサンティアゴ、さらにポルトガルまで、ふらーっと行くんですよ、歩いて。

 ―― 歩いて?!

熊野古道なんかもしょっちゅう行ってたし、お遍路もしょっちゅうだし、それも自転車だったり、スケボーで行ったりね。

ものすごく自由な人。それと、死の願望も持っていたから、自殺について語り合うこともあって。

  ―― 本当に、なんでも話せたんですね。

「私は絶対自分では死なないなー」とかね。でも、彼は最後、自分で行ってしまった。

 ―― 最後? ……人生のことですか?

そうですね。しかも、彼と私は整体師とお客……友達のような、そうじゃないような関係だったから、彼の最後についてもFacebook経由で知って。

突然「明日、お通夜です」って。「明日って」……わけがわからないですよね……。投稿からすこし時間が経っていたから、「ほぼ、今日やん……」の状態だったし。

それからもう、なんかどうしようもなくなってしまって。「ヨガも助けにならんなぁ」とか思いながら。

 ―― なんでも話せる間柄で、信頼もしていただろうし、施術者としても頼っていただろうし、いろんな辛さが重なりそうです……

でも、その時にやっぱり思ったというか……何かが降りてきたのかな、降ってきたというか……書こうと思ったんですよ、手紙を。

 ―― 天国に……?

いえ、すてられた、結婚できなかった彼にです。

  

15年越しの「ありがとう」

 ―― そのタイミングで、なぜですか?

「私は生きてるんだから、問題を来世に持ち越すのやめよう」と思ったんです。

まずは、別れた彼に「私は元気です。あなたは元気ですか?」と手紙を出しました。そしたら、結構すぐでしたね、メールが返ってきました。

で、なんだかんだありながら再会もして。

  ―― 会えたんですね。

 メールしていたら、彼が「死ぬ前に会いたい」って言ったんですよ。

  ―― 死ぬ前とは……

 まぁ、その人も死にかけてて、いろいろあって。でも彼も私も、お互いにまだ生きてた。「だったら会わなければ」と思って、会いに行きました。

  ―― とはいえ、葛藤もあったのでは?

むかついてたし悲しかったし、惨めだったし……こういう感じで長い間あれこれ思い込んでるっていう事が、もうなんか……「どうするんだ、お前!」ですよね、自分に対してね。長年。

でも、会う前には「こういう状態を招いたのは私だし、切れなかったのも私だな」と、感じるようになってました。

―― 相手への苛立ちが、自分自身に対するとがった感情に変化していたんですね。そういえば、何歳の頃に出会われたんですか? その方と。

28歳。で、30歳くらいでふられて……再会したのが44歳です。メールのやりとりは、それから数年間くらい続けたかな。

 ―― 28歳から……大河ですね。

そうこうしているうちにコロナ禍になって、仕事で海外にいた彼は、ロックダウンで居住地に帰れなくなってしまった。私はメールで応援することにして、彼が帰れなくなった6カ月……7カ月ぐらいですね、声をかけ続けたんです。

 ―― どんな声かけを?

「ご飯食べてる?」とか、「こんな風に過ごすのはどう?」とか。ちょっとした話ですね。日常会話。あとは、離れ離れになったことについて、お互いが「まだ話が残っているな」と感じたことについて、ちらほらと。

 ―― 振り返る時間になったんですね。

コロナ禍によるチャンスでした。一度会って……メールをやりとりして、「お互いに喋り切ったな」っていう感じ。彼は無事に帰るべき場所に戻り、それを確認してメールのやりとりは自然に終わりました。

あとは、私の傷が癒えた瞬間というか……いや、自分で傷っていうのってかっこ悪いけど……(笑)彼が「ありがとうと」言ってくれたんですよ。「あの頃、ありがとう」ってね。

 ―― 感謝の気持ちを?

泣きましたねー。「ここまで来たなぁ」と。「これで終わった、今世で決着がついた」って思いました。

 ―― 来世に持ち越さずに済んだ……

そうそう(笑)だから、いまはギターを練習してます。

 

体がないから、どこにでも居られる

 ―― だから? だからギター、とは?

はは。意味、わかりませんか?(笑)

 ―― ぜひ解説を(笑)

いや、ね。いま、やれることをやっておくと、どうやら来世に持ち越さなくていいぞっていうことをね、私はこの一件で証明したわけですよ(笑)

 ―― ああ、はい(笑)

人間って……容れ物である体と魂的というか、スピリチュアル的なものが合わさってると思うんです。そういう存在として地球に居る。

もしも地上から体がなくなっても、なんか……何かは残る。それが、また体が見つかった時に、火星に行くか金星に行くか、地球に戻るかはわからないけれど……次、私は人になる時、大橋トリオ(ミュージシャン)さんと音楽活動してるんです。

  ―― お・お・は・し・と・り・お?! いきなりですね!

 わはは(笑)だからいまからギターを始めて、音楽を学んで、音楽の知識や体験を、出来るだけ詰め込んでおこうと思って。生まれ変わったときに覚えてないといけないから、大橋トリオさんとギターを。

 ―― 来世があるとしても、そのころ大橋トリオさんは、もう大橋トリオさんじゃないのでは……(笑)

大橋トリオさんだった人ね! そもそも彼は音楽の神様なんです(笑)私には。

 ――マスダさんは来世、音楽の遺伝子を持って生まれて、元・大橋トリオさんの音楽神と音楽活動をされる、と(笑)

これまでの人生で、失ったこと……自分で感じたこととや書き変えてきた過去の思い出、そういうのを並べて省みると、「失ってなかったじゃん」って思うんですよね。

 ―― 失ってなかった?

いやね、何もね、失くなってなかったんですよ。失くなることなんて、何一つなかった。私が「失くした」って話に書き換えたり、忘れたりしてただけ。

消えたように感じるだけで、全部刻まれていた。いまもあるんです。タイ古式整体の、あなたと同じ名前の彼も、どこかにいる。

 ―― え?

そういう縁もあったから、今回のインタビューで話そうと思いました。

 ―― そうでしたか……

なおき君には話そうと思って、言えなかったことがいっぱいある。けど、いまは「そっちに行った時点で、ぜんぶ聞こえたよね」とも思います、特に今は。近くなった感じがします。

 ―― 聞いてくれてる感じが?

というか、「聞こえてないわけがないな」って。体がないから、どこにでもいられるじゃないですか。あるだけ。「ないがない」存在だから、あるだけ。

 ―― ないがない、あるだけがある……

私たちは生きてる時点でここにあるから、捉えにくいけど、毎日経験していることだと思うんです。感情もそうじゃないですか? あって、ないし、なくて、ある。

 ―― 実体はないけど、感じますね、感情って。

魂もそうですよね。丹田※もね。もっと身近なところでいうと、鳥の声。いつも鳴いてますよね、聴こうとすれば聴こえるし、そうじゃなくても響いている。
※丹田:へその少し下のところで、下腹の内部にあり、気力が集まるとされる所。出典/小学館デジタル大辞泉

私は、彼が亡くなって、その死と消えた現実をいっぱいいっぱいいっぱい考えて……それだけになっていた。

でも、亡くなった彼から受け取ったこと、「受け取れた」と感じられるものが、たくさんあったんです。鳥の声のようにここにあった。失くしたと思ってたものは失くしたわけじゃなかったんだなーって。

 

大橋トリオさんの魅力って、どんなところですか?
かっこいいセンスの集合体、生身のトリオさんのお姿も、作られた曲も声も彼の奏でるあらゆる楽器の音色も。アップテンポもムーディーもポップスも全てさりげなくて美しい。で絶妙な心地よさ、シンプルで奥深い。
音楽仲間と音楽を楽しまれていて、音楽って楽しいですということを、彼のライブで生まれて初めて心からそう思った。わたしの生きる喜びそのものです。自分のお葬式には大橋トリオベストメドレーをかけます。
エンディング曲ですか! LOST的なテーマの曲はあるでしょうか?
Lostにはつながりません。どちらかと言えばFulfilled 満たされてしまう曲ばかり。でも好きになったきっかけは Honey

 

 

ある日私がドライブ中、FMラジオで偶然ある方がリクエストされてかかりました。イントロで、心がざわつき、歌始まって、「♪恋でーもしたのかなぁ」のところで、右目から涙がツーって流れました。
一目惚れ、ひと聴き惚れに落ちました。

 

願いは叶う

黒川さんに「インタビューしていいですか」って言われてから、ずっとLOST、LOST、LOST……毎日考えて、書き出して、「これは違うなぁ」とか「こうじゃないな」って色々ね、確かめてたんです。

その作業や時間のなかで、こういった感覚が、だんだん言葉になりました。ないようであるとか、「受け取れた」とか。ずっと思っていたこと、感じていたことが形になってきた。

  ―― そうでしたか……。いま、マスダさんは苦労してたころの自分、その経験や記憶に悩まされ、悶々としていた当時の自分の姿が、どう見えますか?

……んー。外国にいる彼に「ありがとう」って言ってもらったとき、私こそ、昔の彼と今の彼に、「ありがとう」って言えた気がして。

大好きで、なのに憎かった彼ですが……すぅっごい大変だったけど、長い道のりで。ただ、「ありがとうー」みたいな? なんか「やっとここまで来たよ……」って。

いま、彼がどう思ってるかも知らないし、10年後の私がどう思うか知らないけど、ひとまず「こういうことだったんだ」ってストーリーが見えました。

過去が変わったんですよ。あの苦しい経験が、よかったことになってしまった! 私なりに、面白い人生を生きてきたなーって。

 ―― ということは……かつての自分、「面白い人生を生きている人」でしょうか?

かつての自分は面白い人生を生きてることをちゃんと理解してない人でした。

 

 

まえに、黒川さんに話したじゃないですか。「叶えたいと思ったことは、だいたい叶っている」って。あれはだから、今日、お話したようなことです。

以前は、「あれを手に入れたい」とか、「こういうポジションになりたい」とか、「関係性が欲しい」とか、そういうことでずーっと悩んでいた。

結局、お互いの存在がそこにあって、ここにまた存在が時間を越えてあって、「ありがとう」っていう言葉があって、なんか……こういう気分になれた、そこに至ったことで、「よかった」と思えたんですよね。

 ―― イメージが実現するとか、願いが成就するとか、そういう次元とは違う「叶った」ですね。

わかりやすい願望も叶ってるんですよ。小学生の頃の「外国に行きたい」って夢は18歳のときに叶えたし、海外に行って友達作って文通するとかも、留学をして実現した。

ハワイの短大行った後アメリカ本土の学校に再度留学したんですけど、自分で英語教材を作って、英語の先生になろうと思って。それもいま、西脇で出来ている※。
※マスダさんは英会話の教室も運営中

行きたいと思ったところに旅行して、ヨガを一生続けたいと思って講座をしたりレッスンを受けたりできて。

 ―― 本当だ。叶ってますね。

叶う、叶わないっていう判断って、幸せ感がまとわりつくじゃないですか。だったら「幸せだ」って思った方の勝ち。「幸せだって思える受け取り方を採用やん!」って(笑)

 ―― ぼくは結構、願いは叶わないって感じてきたので……思うところがあります(苦笑)

目標があって「叶わない」と感じるとしたら、心のどこかで「結局、叶わない」と思ってるんですよ。違います? 

 ―― 痛いところを突かれたような……(泣笑)

「今日もしんどかった」とか、「どっちみち……こんなことしてても叶うわけないよな」って思いながら、一方で「叶えたい」という願望があるとしたら、いいところまで行ってたとしても、きっと叶わない。

そうじゃなくて、「いま、いい線まで行ってるなー」って思えたら叶うかもしれないし、「きっと手に入る」とか、「なんとか辿り着きそうだ」って思って、その途中のわくわくを楽しんでいけば、なんとかなるんじゃないですか。

「叶う」の意味合いが、途中で変換されることだってありますよ。

 ―― なにもかも上手くいってないとか、すべてがダメなんて状態は、ほとんどないですよね。ダメージが大きいと、そう思い詰めがちになるだけで。

私は自己否定の塊だったから、ずっと「どうせあなたは無理よ」って、自分を突き放して。よく分かるんですよ。どこかで自分を認めて、信じてあげないとって。

 

アフターコロナ ~才能を活かす時代

 ―― 自分自身について、いまはどう思われますか?

「才能ある人」って思ってる(笑)いや、みんなには笑ってほしいんですよ? そう思う私をね(笑)

ただ、コロナ禍で、すごく思うんです。「みんなに自分の才能を活かしてほしい。私もやっていくからさ」と。

 ―― 詳しく聞かせてください。

こういう時代で、人間は愚かで、戦争はきっとなくならないし……中国何やってんねん、アメリカ何してんの、日本政府は何なんとか、私だって思うんです。嫌になる。

でも、そうじゃなくって……今日は青い空だし、緑が鮮やか、久しぶりにみんなでヨガができて気持ちよくって、お友達のお庭でゆったり話しができる。 誰かに喜んでもらえる才能や技術は、私にもあなたにもある。

コロナ禍というダークサイドは、文句を言いたくなるようなところじゃなくて、こういう素晴らしさ見るきっかけにできる。だって、これだけ酷くなったら、もう自己否定している場合じゃないんですよ。

才能を活かして、どんどんやっていかなくっちゃ。

 ―― マスダさんはご自身のイベントに、ジャンルが異なるご友人やお知り合いを呼ばれたり、参加者と一緒に過ごす企画が盛り込まれたりしますが、そういった信念があったんですね。

人の才能、見つけるの得意なんですよ。すぐ、あれやってほしい、これやってほしいって、お願いする(笑)

黒川さんなんて、人の話を穏やかに聴く才能、素晴らしいですよ。そういうスキルが5万円ぐらいで売ってるなら、絶対に買う(笑)

 ―― ぼくは声とテンションが低いだけだと思います(笑)マスダさんは昔から、お仲間への声掛けやコラボ的な活動、されてたんですか?

いや、全然です。若いころなんて、自分のことで精一杯。アメリカに行って、フランス、ベルギー、香港、台湾、中国……インド、タイ、スリランカは3、4回……マレーシア、フィンランド、クロアチア。

いろんな国でいろんなグループに属して、50歳くらいで、大きな問題が片付いたと思えて、もうあんまり心配しなくてよくなったので、いまやっと出来るようになったんでしょうね。

自分のために五感を使う

―― もう一度、ヨガについて伺います。ヨガはコロナ禍のストレスにも効く気がするのですが、インストラクターとしてはどう感じられますか?

元気になったとか、いい感じで眠たくなれるとか、なんかじんわりくるなとか、気持ちが変わるじゃないですか。変わりませんか?

 ―― すごくわかります。心地よいです。

ですよね。ヨガはね、呼吸ベースなんですよ。ポーズを続けていると、だんだん息のリズムが自分らしく整う。というわけで、ヨガをすると呼吸がゼロに戻ります。「おぎゃー」な瞬間です(笑)

 ―― ヨガで息をし直す、おギャーと生き直す、ですね。

 

 

日常生活って、息を吐き切れないんですよ。起きてるときは座って、仕事をして考え事をして、人と話していると、どうしても吸うに偏る。

じゃあ、寝てる間はバランスがとれているかというと、ストレスや疲労を感じながら過ごすので、自然な呼吸は戻りません。

まだ意識があって、まぶたの裏側で目だって動いていて、体力を回復させるので目一杯。たとえ意識がリセットできても、吸ったり吐いたりが楽にはなってない。

休むには休むなりの準備がいるんですよ。呼吸を意識する。それによって自然に心が落ち着き、休む状態になると思います。

 ―― ヨガの心地よさは、睡魔とまどろむ感じに近いような……

でも、眠たくなるのとはまた別なんですよね。余計に聞こえたり、爪の先が感じれたり、繊細に全部わかってきたり。感覚は起きてる。それが気持ちいいんやと思うんですよ。五感をちゃんと使えてる。

 ―― ああ、はい。

仕事や課題のためではなく、生命力や自分の存在のためだけに感覚が醒めるっていうのは、至福ですよね。「山は私のためにあるし、太陽もそうだし、空気まで応援してくれてる」みたいな気持ちにだってなれますしね。

時々でもヨガで体を動かすと、自分らしい感覚に浸れると思います。

 

 

 ―― マスダさんのヨガのスタイル、信念を教えていただけますか?

私はヨガと出会って学んで実践し続けて、生き方が豊かになってます。体、頭、心 全てにおいて健康なことは良いことです。ヨガを始めると世界が広がります。生きてる限り健康であるように努めるのは、どんな状況の人でも責任があると思います。

コロナ禍、その後の時代に、人々がどうなるか……そこまで私は責任が持てませんが、ヨガに来てくれた参加者には「今日、ヨガに来たてくれたら、確実に元気にするよ」って覚悟してやってます。

 

インタビューを終えて
~軽い話をしようとは思わなかった

 ―― 今日はありがとうございました。

いえいえ、話しがあちこちに飛びました。文字にするの、大変そうですね(笑)

 ―― お話に起承転結があったので、非常に助かります! マスダさん、インタビューのオファーを受けてくださったとき、今日の話題が、始めから念頭にありましたか?

「LOSTというキーワードに触発された事柄であれば、どのような内容でも構いません」ということでしたよね。「財布を無くしたとかでもいいのかな?」って思いましたよ、最初(笑)

でもLOSTって大変な事じゃないですか。よくもまぁ、わざわざ尋ねるなぁっていう(笑)

 ―― 悪趣味ですかね……(苦笑)

面と向かって「LOSTは?」って聞かれたら、財布を無くしたとかじゃないなと。そもそも、私は忘れ物が多いので、ありすぎて話せないしね(笑)

 ―― 常習犯ですか(笑)

免許証とか(笑)

 ―― それも面白そうなエピソード!

まぁ、形のあるものは失くしたって、どうとでもなるんですよ。命でさえね、「戻ってきたな」と感じられるわけで。

 ―― 今日のお話の核心部分ですね。

タイ古式整体師の彼が亡くなった時、私は何をしたらいいのか、どうしたら良かったのか分からなかったんです。でも、あるとき「もうすぐわかるよ」って聞こえて。耳元で。「もうすぐわかるよ」と。

 ―― そんな声が……マスダさんは、よく聴こえたり見えたりするんですか?

超能力は今はありません。でも開花を常に待ってます。

なんにしても、求めていることへの答えって、いつも聞こえてきてるのかなと思うんですよね。

私、「誰かー助けてー」って口癖なんですけど(笑)垣根の木が「ここにいるよ」と言ってくれたこともあって。

 ―― 垣根の木?

ええ、「ここにいるよ」って。それでハッとして、よく見たら、よく見てみても……なんてことない木ですよ、本当になんてことない(笑)

それがね、眺めていたら、違う感じに見えてくるんですね。「あなた偉いね! そんなところで人知れず生きていて!」って。

タイ古式の彼、彼らしき「もうすぐわかるよ」って声。あれにしても、何がわかることになっていたのかは、よく分からない。ただ、いまになって考えると、私なりの紐解きは出来るようになったな、と。

 ―― そのお話ですが、もしも、ぼくに同じ出来事があっても、恋人だった人に手紙を出そうとは思わないだろうな、と。マスダさんはそこにつなげて、LOSTの感覚や体験を劇的に更新された。なぜ、手紙が書けたのでしょう? それこそ才能による発想や行動かもしれないですけど……

ああー、それは聴こえた彼の声が、響きとしては「もうすぐわかるよ」でしたが、そこに原稿用紙10枚ぐらいの意味やイメージがあった……から、かもしれません。

もちろん、当時の私に、その全てなんて見えてないし、解釈できてないですよ。心のどこかにある、引き出しにポンって入っただけで。

 ―― それが、いろんな人と話をされ、ヨガを続け、鳥や木の声に耳を澄ませていたら……ちょっとづつ言葉になったのでしょうか。

常に自分に正直に、そして好きなことをして、好きな人達とヨガしてたら、色んな会話となり言葉となり、感謝となり原動力になり、何かが、どこからか私の言動につながっていく。

人には心があって、想像力があって、直感もある。そういうものが超能力ならば私は使うし、どんどんそれを有効活用出来る私でありたいです。

生まれて初めてインタビューをしてもらって、自分にとって大切な出会いと別れという出来事はここで光が当たりました。
この記憶や想いはいつか薄れていくだろうし、思い出は曖昧になると思います。それでいいし、私はこの激動の時代に新たな冒険をしていたい。
一瞬で終わる人生の私のささやかなドラマをこんな風に丁寧に黒川さんに聞いて頂いて、見えるものにして頂けてとても幸せに思います。ありがとうございます。

 

(インタビュー前編「いつだって、傍にいた 1」)

 

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